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ガウス デガウス コイル 銅線 コイルの形


ガウス(Gauss)

小生が入社した頃は、磁束密度の単位はガウス(gauss)を使っていました。ガウスは、ドイツの数学者、カール・フリードリヒ・ガウス(Carl Friedrich Gauss)の名前です。ガウスがおおよそ10歳の頃、「1から100までの数の和はいくつか」と問われたと時、5050と簡単に解いたそうです。ガウスは、1+100=101、2+99=101、3+98=101、・・・50+51=101と考え、101×50=5050と導き出したそうです。

ガウス(Gauss)と言う単位はCGS単位系で、現在はSI単位系が主流です。SI単位系では、磁束密度の単位はT(テスラ)です。二コラ・テスラの名前です。

ちなみに、1[T]= 10000[gauss] となります。

デガウス(Degauss)

デガウス(degauss)とは、鉄やフェライトコアのような磁性材が、磁石のように鉄を引き付ける性質を持ってしまった時、その引き付ける性質を無くす処理のことを言います。

例えば、鉄が付かない釘(鉄)に磁石を付けると、釘から磁石を離しても釘だけで鉄を引き付けようとする力が残ります。この残存した磁力を無くす、あるいは消すために交流の磁場を釘に加えながら徐々に離します。すると、釘は元の状態、鉄が付かない状態に戻ります。日本語では、脱磁(だつじ)または消磁(しょうじ)と言います。

このデガウスを行うために、交流の磁場を発生する物が、コイルです。

コイル(Coil)

コイルは、電流が流れる銅線をくるくると巻いた塊です。大きさはマチマチで、米粒のような小さなコイルから、1辺が2m程度の四角い大きなコイルなどがあります。用途はコイルを使う人によって違うので、一言では言い表せません。磁場を発生させるため、逆に磁場を拾うためにも使われます。

銅線を巻くと書きましたが、電流が流れる物であれば何でも良いと思います。アルミと銅を組み合わせた銅アルミクラッド線(銅線より軟らかいので巻きにくい?)、ニオブチタンを使った超電導線(バックテンションの調整が難しい?)、個人的には銅線が一番扱いやすいように思います。

銅線の区分

銅線は、確か99.9%の純度で加工された電線(導体)で、導体の表面に絶縁層をコーティングした物です。その絶縁層の厚みに応じて、JIS規格では、0種、1種、2種、3種と区別されています。 0種が絶縁層が一番厚く、1種、2種、3種の順に薄くなっていきます。 さらに絶縁層もいくつかの種類があり、耐熱温度から下記のように区分されます。

種 類 耐熱温度
ポリウレタン130℃
ポリエステル155℃
ポリアミドイミド200℃
ポリイミド 220℃

よく使われる電線は、ポリウレタン線(UEW)、ポリエステル線(PEW)、ポリアミドイミド線(AIW)で、線径が細いものがUEW、太いものがPEWまたはAIWのように線径の太さで変わるようです。

よく間違われるのですが、線径とは絶縁層を含まない導体径を指します。ネットなどで調べると、「線径φ1.0、1-AIW」などと表記されたものがあると思いますが、この意味は、導体径の直径が1.0mm、絶縁層が1種のポリアミドイミドの電線と言う意味です。

また、絶縁層の種類は、JIS規格により0種、1種、2種、3種のように区別されています。数字がお大きくなるにつれて、絶縁層が薄くなります。

コイルの形

コイルの形は、大きく分けると下記4つに分類できるのではと考えています。

1.ソレノイドコイル  円筒形または矩形(四角いコイル)
2.トロイダルコイル  同心円状に銅線を巻いたもの
3.サドル型コイル   馬の鞍型に似たコイル、電子ビールを偏向する時に使われる
4.その他のコイル   モーター、ロゴスキーコイル、アルファ巻きなどなど

特にサドル型コイルは、日本からブラウン管が無くなったことでその巻線冶具を設計できる人は、相当少なくなったのではと感じています。

別な見方では、空芯コイルなのか、樹脂製などのボビンに巻くのかなどの区別もあります。コイルの使用環境などに応じて使い分けします。